あかるい職場応援団
厚生労働省

社内でパワハラ発生! 人事担当の方パワハラ対策取組支援セミナー2016
セミナーレポート

 7月4日(月)、東京・神田の連合会館で開催された「パワハラ対策取組支援セミナー2016」。当日は、真夏のような暑さのなか60名が来場し、会場は満席状態。パワハラ対策に前向きな企業の皆さんが集結した、熱気あるセミナーの様子をレポートします。

開講のご挨拶

 セミナー冒頭、東京労働局雇用環境・均等部指導課の村瀬指導官から参加者の皆さんにご挨拶がありました。
 「平成27年度に東京労働局に寄せられた個別労働紛争に関する相談は約3万件ありました。そのうち、いじめ・嫌がらせの相談は約8千件にのぼり、年々上昇傾向にあります。職場のパワーハラスメントが与える影響は予想以上に大きく、パワハラ対策は大変重要な課題です。しかしながら、業務上の指導との線引きには曖昧な面があり、取り扱いがむずかしい問題です。今日のセミナーを生かして、各企業が風通しのよい職場環境を築いていただければと思っています。また、ストレスチェック制度の導入やマタニティハラスメント防止のための措置など、職場の環境改善につながるさまざまな取組も行っていますので、この機会にチェックしてみてください。」

「パワハラ対策は行政としても重要課題の一つとして考えています。」

職場のパワーハラスメントの定義は、暗唱するほど重要!

「パワハラ対策でお悩みの方はぜひ参加してください!」と講師を務めた大橋氏

 講師を務めたのは、セクシュアルハラスメント・パワーハラスメント防止コンサルタント、産業カウンセラーの大橋 力さん。ご自信も長年の管理職経験があり、話される内容がとてもリアルで参加者の誰もが引き込まれました。
 「根本的にパワハラを勘違いしている人がまだ多いです。従業員の中には自分がパワハラと感じたら、その行為をすぐにパワハラだと言いだす人がいますが、それは違います。だって仕事なんだから嫌なことがあって当たり前じゃないですか。それを乗り越えて成果を出すことが仕事というものではないでしょうか。」と一同納得です。
 たしかに、同じ職場内でパワハラの捉え方にブレがあれば予防も解決も困難です。
 「ここで重要なのが、職場におけるパワーハラスメントの定義です。暗唱してほしいくらい重要です!」と大橋さんは言います。

—職場のパワーハラスメントの定義—
同じ職場で働く者に対して、
職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、
業務の適正な範囲を超えて、
精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為。

 「ここで言う"職場"というのは、労働者が業務を遂行する場所を言います。例えば、宴会の席、出張先、接待ゴルフなどであっても業務を遂行する場であれば、"職場"という解釈をします。また、業務の適正な範囲というのは各現場で異なります。会社や社員の成長のためには何が必要か、しっかりと議論して決めてください。」
 従業員全員がパワーハラスメントの定義を正しく理解することが、対策の第一歩と言えそうです。

ある会社で実際に起きたパワハラを例に、行為類型を詳しく解説

 「社内で起きている問題を、若い男性社員が内部告発しました。周囲がその件を知った次の日、男性の机は職場から隔離された。その後男性はメンタル不調になりました。これは"人間関係からの切り離し"にあたる完全なパワハラ行為です。」大橋さんはこの件を思いだすたびに胃がせり上がるような怒りがこみ上げてくると言います。
 "人間関係からの切り離し"型をはじめ、パワハラには6つの行為類型があります。特に判断が難しい類型の事例動画も合わせてチェックしてみてください。

 「判断に迷うグレーゾーンについてもよく質問をいただきます。判断のポイントはいくつかありますが、今日は基本的な5つをご紹介します。」

・   指導、指示の関連性や必要性     好き嫌いでやっていないか
・   言葉の乱用                                 程度を超えて人格を否定していないか
・   言動の態様                                 言い方が威圧的・陰湿でないか
                                                         大声で怒鳴る、陰で誹謗中傷していないか
・   発言の場                                    注意をする場所に配慮はあったか
・   職場環境                                    声を上げることができる環境であるか

 参加者の皆さんもグレーゾーンの判断については興味関心が強く、大橋さんの話に熱心に耳を傾けていました。

パワハラ対策には7つの取組があります

 パワーハラスメント対策導入マニュアルを教材に、基本的な7つの取組について、実施する際のポイントやノウハウを詳しく解説いただきました。

<予防するにはこの5つ!>
・    トップのメッセージ
・    ルールを決める
・    実態を把握する
・    教育する
・    周知する
<解決するにはこの2つ!>
・    相談や解決の場を設置する
・    再発防止のための取組

セミナーのテキストは、厚生労働省が作成した「パワーハラスメント対策導入マニュアル」

 これら7つの取組をすべて実施するのは、相当な時間と労力がかかります。
 「全部一度にできない場合は、できるところからでOKです!実態把握のアンケートから実施するなど、それぞれの会社の都合に合わせてください。ただし、どれか一つでも抜けてしまうとうまくいきません」と、大橋さん。
 7つの取組をすべて網羅することを目標に、社内の状況を見ながら継続していくことが大切です。
「会社として誠心誠意努力をして、それを従業員にちゃんと伝えて、対応を続けていくこと。これによって、管理職の意識が変わり、部下とのコミュニケーションが良好になる。結果的に適切なマネージメントができるようになるんです。」
 このように、パワハラ対策を継続していくことは簡単ではないですが、長期的にみると会社にとって大きなメリットにつながります。

パワハラ対策導入マニュアル7つのメニュー、取組のポイント!

セミナー後半は、近くの席の人たちとのグループワークと個別相談

後半のグループワークの様子。どのグループも活発な議論が交わされていました!

 セミナー後半は、近くの席の人たちとグループワークと事前に申し込みいただいた企業に対する個別相談が行われました。特にグループワークは、参加者同士の情報交換やお悩み相談に発展し、どのグループも大変な盛り上がりでした。参加させてもらったグループの皆さんの声を一部ご紹介します。

 「新入社員と管理職のジェネレーションギャップがパワハラの元凶だと思います。せっかく入社した人に無駄に辞めてほしくない。私にできることはないかと思って今日は勉強しにきました。」(IT関連会社 人事担当の方)

 「社内に相談ホットラインがあります。あまり相談があがってこないので安心していましたが、今日の話を聞いたら安心していられないと思いました。問題が起きる前に対策を考えたいと思います。」(信販会社 人事担当の方)

 「今は減ってきましたが、上層部にパワハラ気質がまだ残っていて・・・。上層部にわかってもらうにはどうすればいいのか悩んでいます。」(広告制作会社 総務担当の方)

 参加のきっかけはそれぞれですが、大きな問題になる前に職場環境を良くしたい、という思いは皆さんに共通していました。他の会社の方と悩みを共有したり、取組の工夫を教え合ったりと大変貴重な時間になったのではないでしょうか。


 当サイトの資料ダウンロードページには、パワーハラスメント対策導入マニュアルや各種参考資料が豊富にそろっています。セミナーに参加することで、それらの資料の活用方法や、より実践的な取組の進め方などが学べます。パワーハラスメント対策に興味のある方はぜひ当セミナーへご参加ください。事前の申し込みが必要ですが、個別の相談コーナーも準備しています。

「パワハラ対策取組支援セミナー2016」全国47都道府県で開催中!
お申し込みはこちらから。

Voice

セミナーに参加した皆さんの声をご紹介します。

  • どのように取り組めばよいか悩んでいたのですが、配布されたチェックリストを参考に早速始められそうです。参加して良かったです。
  • 他の会社の方だから相談しやすいこともあり、グループワークに参加して良かったです。
  • あかるい職場応援団というサイトの存在を知りませんでした。たくさん資料があるみたいなので、今後活用させていただきます。
  • あかるい職場応援団はよく見ています。動画でグレーゾーンの事例を掲載してほしいです。
■取材セミナー「パワハラ対策取組支援セミナー2016」
日時:平成28年7月4日(月)14:00~16:00講義およびグループワーク
会場:連合会館(東京都千代田区神田)
主催:公益財団法人 21世紀職業財団

■講師
公益財団法人 21世紀職業財団
セクシュアルハラスメント・パワーハラスメント防止コンサルタント
産業カウンセラー
大橋 力 氏