あかるい職場応援団
厚生労働省

「社内でパワハラ発生! 人事担当の方」他の企業はどうしてる?

【第23回】
風通しの良い職場環境を目指して ―障害者福祉を事業とするT法人

取組のポイント 所在地

鹿児島県

  1. ハラスメント防止情報を見聞きする機会を増やす
  2. 職員同士のコミュニケーション活性化
  3. 人事考課面談とアンケートで状況把握
業種

社会福祉施設

従業員数

約170人

地方に本社を構え、障害者福祉を事業とするT法人。理事長が東京などに出かける際に、ハラスメント等に関する新しい情報を仕入れ、自社に持ち帰って取組を進めているとのこと。理事長をはじめ、幹部の皆さんからお話を伺いました。

情報を見聞きする機会を増やす

十数年前から、職員の専門性の向上や良好な職場環境構築のために「職員研修」を実施しており、その流れの中でハラスメント防止に取り組んできました。職員研修は年間6~7回。「人権」「コンプライアンス」「苦情対応」「リスクマネジメント」などをテーマにしています。地理的な関係から施設を2ブロックに分け、同内容のものを実施することで、どちらかに参加してもらうようにしています。いずれも就業時間外に実施していますので、残業手当を支払っています。
平成23年にはパワーハラスメント防止規程を制定し、理事長から全職員に対して「ハラスメントは許さない」というメッセージを出してもらいました。毎月の全体職員会や年度初めの会合などの理事長訓示の中で、他法人の先進的な取組等ハラスメント関連の話をしてもらうこともあります。各事業所でも毎朝の打ち合わせで、折に触れて注意喚起をしています。さらに、職員に周知する必要のある内容については、一枚の紙にまとめ、職員室に掲示するなど、ハラスメント防止について見聞きする機会を増やすようにしています。

ハラスメントは許さない

PDF(0.24 MBytes)

職員同士の挨拶で風通しをよくする

ネームプレートを下げている人は全員職員なので、顔見知りでなくても挨拶をすることという基本ルールを定めています。また、職員の定期異動で毎年20~30人程度が異動しますが、それまで他施設の職員ということであまり話をする機会がなかった人としっかりと意思の疎通を図らなければなりませんので、そういう意味でも人事異動は、職場間のコミュニケーションを活性化するのに役立っています。当初は異動したくないという声もありましたが、挨拶運動の効果もあり、現在ではそういう声は聞かなくなり、風通しが良くなってきていると思います。
また、新人に対してはトレーナートレーニー制度を導入し、先輩と新人がペアを組み、何でも相談して何でも教えるという体制にしています。これが両者の成長にとって効果があるのと同時に、新人の不安や不満の解消につながっていると思います。

面談やアンケートを利用して職員や職場の状況を知る

年2回、人事考課の際に必ず本人との個別面談を行っています。担当業務についての内容が中心ですが、その他に人間関係や体調、個人的な課題などもじっくりと聞くようにし、職場の問題を拾いあげています。人事考課は本来、業務の目標を立て、その達成状況を確認していくためのものですが、周辺の状況も含めて把握した上で助言をすることで、本人が目標達成に向けて頑張れる環境を整えるという役割も果たしています。
また、毎年「満足度アンケート」を実施しています。これはハラスメントに特化したものではありませんが、職場の課題なども書いてもらうようにしていて、職場の状況を把握するツールとしても活用しています。

最終目的は「利用者へのサービス向上」

常に新しい情報を集め、時代の流れを先取りして新しいものに取り組んでいくという姿勢で、「70歳雇用推進」などもいち早く取り入れてきました。ハラスメントについても、職場環境をより良くしたいという思いで、情報収集に努め、対策に取り組んでいます。
利用者が満足してくださるサービスを提供するためには、職員が気持ちよく働いていることが必要です。コミュニケーションが良く取れ、風通しの良い職場を作ることで、職員が満足し、納得して仕事ができ、結果として利用者へのサービスの質が向上するものと考えています。

事例をお聞きして・・・

会社が大都市から遠隔地にあることが、最新情報を収集し、取組を進める原動力になっているとのこと。何事も取り組む姿勢次第であるということを再認識しました。

≪ 【第22回】「職員同士の良好な関係構築がテーマ」 ―日常的に職場環境改善に取り組む社会福祉法人  |  【第24回】「事業所を巡回して全従業員と個人面談」 ―生鮮食品から引っ越しまで、物流のK社 ≫